- 2026/10/31
GIAが「淡水アコヤ」は誤称と指摘|アコヤ真珠に似た淡水真珠、手元の真珠は名前で判断できる?
米国のジュエリー業界誌JCKは2026年10月28日、中国の淡水真珠の養殖が大きく変わったと報じました。もとになったのは、中国の研究者による論文です。GIA(Gemological Institute of America)の学術誌「Gems & Gemology」の2026年夏号に掲載されました。論文は、アコヤ真珠に似た小粒で丸い淡水真珠を「淡水アコヤ」と呼ぶのは誤称だと指摘しています。
「アコヤ」と名前に付いていても、アコヤ真珠とは限らない。そう聞くと、「アコヤ真珠」として買った真珠や、家族から譲られた真珠のネックレスが気になる方もいるかもしれません。
この記事では、「淡水アコヤ」とは何か、なぜアコヤ真珠と見分けにくいのか、手元の真珠の名前をどう受け止めればよいのかをまとめます。
目次
「淡水アコヤ」は、アコヤ真珠ではない

GIAは2026年1月26日の記事で、中国の小粒の淡水真珠が「Chinese akoya」「baby akoya」「freshwater akoya(AK)」などの名前で売られていると紹介し、これらはアコヤ真珠ではないと説明しています。
違いは、真珠を育てる貝と、育つ場所です。
- アコヤ真珠:海で育つアコヤ貝から採れる真珠。主に日本で養殖され、中国やベトナムでも養殖されている
- 淡水真珠:湖や池で、淡水の貝から育てる真珠
GIAは、真珠の種類は母貝と育った環境で決まり、見た目だけでは決まらないとしています。アコヤに関わる名前を淡水真珠に使うと、買う人を混乱させるというのがGIAの考えです。
なお、アコヤ真珠は中国でも養殖されています。「中国産だから淡水真珠」とは言えず、産地の国名からも種類は分かりません。
淡水真珠がアコヤ真珠に似てきた理由

GIAによると、従来の淡水真珠は、貝に核を入れず、別の貝の外套膜(貝殻をつくる膜)の小片だけを入れて育てます。そのため、形がいびつになりやすいのが特徴でした。
一方、新しい中国の淡水真珠は、アコヤ真珠と同じように、丸い貝殻の核を入れて育てます。丸い核を土台に真珠層が重なるため、丸く白く、光沢の強い真珠になります。育て方がアコヤ真珠に近づいたことで、見た目もよく似るようになりました。
論文は、中国の淡水真珠の生産量の移り変わりもまとめています。2006年の5,265トンをピークに、環境規制の強化などを背景に減り、2020年には454トン(2006年の9%)になりました。その後、新しい養殖方法の広がりなどで、2024年には1,125トンまで回復しています。論文の表では、「淡水アコヤ」と呼ばれる真珠は、大きさが3〜9mmほど、色は白から薄いピンクとされています。
手元の真珠に「アコヤ」と書かれていたら
「アコヤ真珠」と説明されて買った真珠や、タグに「アコヤ」と書かれた真珠は、どう受け止めればよいのでしょうか。
名前は、手がかりの一つ
タグや購入時の説明にある名前は、真珠の種類を知る手がかりになります。ただ、名前だけで種類を確かめたことにはなりません。一方で、「アコヤ」と書かれた真珠がすべて淡水真珠というわけでもありません。疑ってかかるのではなく、名前は手がかりの一つとして受け止めてください。
見た目だけでは決めにくい
GIAは、見た目だけでは真珠の種類の判定に足りないことが多いとしています。GIAは、淡水真珠にはごくわずかに平らな面が見られることが多いと写真で紹介していますが、それだけで種類を決められるわけではありません。丸さや光沢の強さも、決め手にはなりません。
鑑別書があれば、記載を確かめる
鑑別機関の鑑別書があれば、記載を確かめましょう。GIAの真珠の鑑別レポートには、天然か養殖か、淡水か海水か、母貝の種類(判定できる場合)、検出できる処理などが記載されます。購入時のレシートや保証書なども、どこでどのように買ったものかを知る手がかりになります。
査定では、種類と品質を合わせて見る
GIAによると、同じような大きさ・品質であれば、アコヤ真珠は淡水真珠より一般に高価です。だからこそ、名前と種類が合っているかは大切です。ただし、種類が分かっても、それだけで評価が決まるわけではありません。GIAは真珠の価値を見る要素として、大きさ・形・色・光沢・表面・真珠層・粒のそろい方を挙げています。
おもいおには、GIA(Gemological Institute of America)のGraduate Gemologist(G.G.)ディプロマ取得者が在籍しています。真珠も、種類・品質・状態を確認したうえで査定します。
購入時の資料や鑑別書、箱が残っていれば一緒にお持ちください。なくても査定できますし、アコヤ真珠か淡水真珠か分からないままでも構いません。店頭での査定は、銀座本店と心斎橋店では予約なしで受け付けており、査定額を確認してからお断りいただいても費用はかかりません。
よくある質問
Q. 「淡水アコヤ」と書かれた真珠は、偽物ですか?
偽物(模造真珠)ではありません。GIAによると、淡水で育った核入れの養殖真珠です。ただし、アコヤ真珠ではありません。
Q. 中国産の真珠は、淡水真珠ですか?
そうとは限りません。アコヤ真珠は日本のほか、中国やベトナムでも養殖されています。産地の国名だけでは種類は分かりません。
Q. 鑑別書がなくても査定してもらえますか?
はい、査定できます。鑑別書や箱、保証書などの付属品がなくても、そのままお持ちください。
まとめ
中国では、アコヤ真珠と同じように丸い核を入れて育てた淡水真珠が増え、「淡水アコヤ」などの名前で売られることがあります。GIAと論文は、これをアコヤ真珠ではない、誤解を招く名前だとしています。
手元の真珠に「アコヤ」と書かれていても、名前は手がかりの一つです。見た目だけでも種類は決めにくいため、購入時の資料や鑑別書、実物と合わせて確かめます。分からないままでも、そのまま相談してください。




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