- 2026/09/08
シトリンの多くは加熱したアメジストです|それでも本物で、査定もできます
シトリンの多くは加熱したアメジストです|それでも本物で、査定もできます
「シトリンについて調べていたら、市場に出回っているものはアメジストを焼いたものだと書かれていました。私の指輪も、そうなのでしょうか」
シトリンの品をお持ちの方から、こうしたご相談をいただくことがあります。
先にお伝えします。市場に出回っているシトリンの多くは、たしかにアメジストを加熱して色を変えたものです。ただ、それは偽物という意味ではありません。加熱されたシトリンも、天然の石です。
そして当店では、加熱されているという理由だけで査定額を下げることはありません。
この記事では、お手元の品でまず何を確認すればよいか、加熱かどうかをご自分で見極めなくてよい理由、そして加熱だった場合に査定がどうなるのかを、順にお伝えします。
この記事を監修する「おもいお」について
✅ GIA G.G.資格保有者が査定に関与
✅ 石の種類が不明な品や、鑑別書のない品も査定します
✅ 査定料・手数料はすべて無料
✅ 店頭・宅配・出張の3つの査定方法に対応
目次
シトリンの多くは加熱したアメジストです。それでも本物です

天然のシトリンは、自然界ではあまり採れません。
そのため、お店に並んでいるシトリンの多くは、アメジストを加熱して黄色やゴールド系の色に変えたものです。これは一部の特殊な例ではなく、市場の標準的な姿です。
ただ、ここで押さえておきたいことが2つあります。
1つは、加熱されたシトリンも天然の石だということです。人工的につくられた石ではありません。もう1つは、当店では加熱を理由に査定額を下げることはない、ということです。
「焼いたものだった」と知って気持ちが沈んでしまう方がいらっしゃいますが、多くの方が同じ石をお持ちです。
まず、お手元の品で確認できること

加熱かどうかを石そのものから見極める必要はありません。ただ、お手元の情報から辿れることはあります。
| 確認するところ | 見るポイント |
|---|---|
| 購入時の説明 | 「天然シトリン」と言われたか、それとも石の名前だけだったか |
| 箱・保証書・タグ | 石の名前がどう書かれているか。「シトリン」以外の呼び名が使われていないか |
| 鑑別書 | お持ちであれば、そこに記載された内容 |
ただし、これらで加熱かどうかが確定するわけではありません。
「天然シトリン」と書かれていても、それが「合成ではない」という意味で使われていることがあります。加熱されたシトリンも天然の石ですから、この表記と加熱の有無は、必ずしも結びつきません。
贈り物や形見として受け取った品で、購入時の情報が何も残っていないこともあります。その場合も、確認できないままで問題ありません。次でお伝えします。
加熱かどうかは、ご自分で見極めなくて大丈夫です

色の濃淡やグラデーションの出方で天然か加熱かを見分けられる、という説明を目にすることがあります。
ただ、こうした見方を判断の材料として使えるだけの根拠を、当店では確認できていません。ですから当店では、この見方をお客様におすすめしていません。
当店でも、品物に応じてUV・特殊光源や比重測定などで確認していますが、処理の有無については傾向として見るにとどめ、店頭で断定することはしていません。
はっきりさせたい場合は、鑑別機関にレポートを依頼するという方法があります。信頼できる鑑別機関のレポートをお持ちであれば、当店ではその内容を大切な手がかりとして拝見します。ただしシトリンの場合、レポートの費用に対して査定額への影響が限られることが多く、当店から取得をお願いすることは通常ありません。鑑別書がなくても査定できますので、お持ちでなくても心配はいりません。
加熱かどうかを、ご自分で判断していただく必要はありません。不明なままお持ちいただけます。
関連:天然か加熱かの見分け方については、別の記事でくわしくお伝えしています
「加熱=偽物」ではありません

加熱されたシトリンは、本物のシトリンです。
もし加熱品を偽物と考えるなら、市場に出回っているシトリンの多くが偽物ということになってしまいます。それは実態と合いません。
一方で、加熱とは別に考える必要があるものもあります。人工的につくられた合成シトリンです。
| どういうものか | |
|---|---|
| 加熱されたシトリン | 天然の石を加熱して色を変えたもの。天然の石です |
| 合成シトリン | 人工的につくられたもの。天然の石ではありません |
加熱は、天然の石に手を加えて色を変えるものです。合成は、石そのものが人工です。この2つはまったく別の話ですので、同じ「本物ではない」という言葉でまとめることはできません。
お手元の石が加熱されたシトリンであれば、それは天然の宝石です。
天然でも「必ず高い」わけではありません

天然のシトリンはあまり採れない、とお伝えしました。
ただ、採れる量が少ないことと、査定額が上がることは別の話です。
宝石によっては、加熱されていないことが証明できると評価に上乗せされるものがあります。ルビーやサファイア、アクアマリンなどがそれにあたり、当店でもそうした石では非加熱であることを評価に反映しています。
けれどもシトリンでは、非加熱であることに対する評価が市場で定着していません。ですから当店では、シトリンについて「天然だから高く評価します」というご説明はしていません。
「加熱だから安い」も、「天然だから高い」も、シトリンでは当てはまりません。 評価は、色や状態、そしてジュエリー全体で決まります。
【参考】シトリンとアメジストは、同じ水晶の色違いです

なぜアメジストを加熱するとシトリンになるのか、不思議に思われるかもしれません。
理由は単純で、2つはもともと同じ石だからです。
シトリンは、クォーツ(水晶)の黄色からオレンジ系の変種です。アメジストは、同じクォーツの紫の変種です。呼び名は違いますが、鉱物としては同じ石で、色によって呼び分けられています。
| シトリン | アメジスト | |
|---|---|---|
| 鉱物種 | クォーツ(水晶) | クォーツ(水晶) |
| モース硬度 | 7 | 7 |
| 色 | 黄色〜オレンジ | 紫 |
硬さも同じですので、扱いやすさが変わることもありません。どちらも硬度7で、傷がつかないよう気をつけていただきたい点は共通です。
加熱すると、アメジストの色は黄色やゴールド系に変わります。低い温度での加熱でオレンジ系になる例も知られています。色は変わりますが、石そのものは水晶のままです。
当店では、加熱を理由に査定額を下げることはありません

加熱されているという理由だけで、査定額が下がることはありません。
当店では、宝石そのものだけでなく、貴金属・作りやデザイン・ブランド・状態・鑑別書の内容・再販市場まで含めて、ジュエリー全体として査定しています。加熱かどうかは、そのなかの1つの見どころにすぎません。
市場のシトリンの多くが加熱されたものである以上、それを減額の理由にしてしまうと、ほとんどの品が下がることになってしまいます。当店が加熱で減額しないのは、市場の実際の姿に合わせているからです。
お手元の品が今どう評価されるのか、聞いてみませんか。
おもいおでは、加熱かどうか不明なままでも査定します。ご相談だけでもご利用いただけます。
関連:シトリンの査定額が何で決まるのかについては、別の記事でくわしくお伝えしています
よくあるご質問

アメトリンという石を見かけますが、これは何ですか
1つの透明な水晶のなかに、アメジストの紫とシトリンの黄色が両方現れているものです。
ボリビアにあるアナヒ鉱山が、アメトリンが商業的に採れる唯一の産地とされています。この鉱山では、アメジスト・シトリン・アメトリンが採れます。アナヒ産のものは、紫と黄色の組み合わせが処理によるものではなく、もともとその色で採れたものだとGIAは説明しています。
「天然」と聞いて購入したのですが、加熱かもしれないということですか
「天然」という言葉は、「人工的につくられたものではない」という意味で使われることが多くあります。
加熱されたシトリンも、もとは自然界で採れた石ですから、この意味では天然です。ですので、「天然と言われた」ことと「加熱されていない」ことは、必ずしも同じではありません。
購入時の説明と食い違っているように感じられるかもしれませんが、多くの場合は言葉の使われ方の違いによるものです。
加熱したシトリンは色あせますか
シトリンには、強い光に長く当たると色が薄くなる場合があるものがあります。これは加熱されたものに限った話ではなく、シトリン全般についての注意点です。
日の当たる窓辺に置きっぱなしにするのは避けていただくとよいです。あわせて、急に温度が変わると石にひびが入ることがありますので、お手入れは温かい石鹸水が安全です。蒸気を当てる洗浄は、熱が加わるためおすすめしません。
まとめ
市場に出回っているシトリンの多くは、アメジストを加熱して色を変えたものです。お手元の石がそうであっても、珍しいことではありません。
加熱されたシトリンは、天然の石です。人工的につくられた合成シトリンとは別のものですので、「偽物だった」ということにはなりません。
加熱かどうかを、ご自分で見極めていただく必要もありません。色の見え方で判断する方法は、根拠が確認できていないため当店ではおすすめしていません。
そして当店では、加熱されているという理由だけで査定額を下げることはありません。同じように、シトリンで「天然だから高い」というご説明もしていません。評価は、色や状態、そしてジュエリー全体で決まります。
不明なままで大丈夫です。そのままお持ちください。
まずは、今の価値を聞いてみませんか。
おもいおでは、鑑別書がなくても、加熱かどうか不明なままでも査定します。査定料は無料で、ご相談だけでもご利用いただけます。ご予約なしでもお越しいただけます。
この記事の内容は、GIA G.G.資格保有者が公開前に確認しています。



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おもいお鑑定士のnoteでは、遺品整理や資産整理、受け継いだ宝石との向き合い方などを、日々の査定で感じたこととともに紹介しています。
