- 2026/10/31
ラピスラズリの硬度と扱い方|毎日つけていい?水で洗っていい?をやさしくお答えします
母から譲られたラピスラズリの指輪。きれいな青なので毎日つけたいけれど、「やわらかい石だから気をつけて」と聞いたことがある。手を洗うときは外したほうがいいのか、汚れたらどう洗えばいいのか。そんなふうに迷っている方に向けて、この記事を書きました。
最初にお答えします。
- ラピスラズリの硬さは、GIA(米国宝石学会)によるとモース硬度5〜6。砂やほこりの主な成分である石英よりやわらかい石です
- GIAは、ジュエリーとして毎日つけられる丈夫さがあるとしています。宝石学の教育団体IGSは、指輪やブレスレットはときどき、ペンダントやピアスは毎日でもと助言しています
- 洗うときは、ぬるま湯に石けんを溶かした水で、やさしく。GIAがいちばん安全とする洗い方です
- 超音波洗浄機・スチーム洗浄機、除光液やアルコール、熱は避けてください
- 色が薄くなった・白っぽく見えると感じても、ご自分で試したり磨いたりせず、そのまま見せていただいて大丈夫です
GIAやIGSの資料をもとに、毎日のつけ方・洗い方・しまい方を順番にお伝えします。
目次
毎日つけても大丈夫?|硬さは5〜6。指輪とペンダントで少し違います

硬さは5〜6
ネットで調べると、硬さの数字がサイトごとにまちまちで、迷った方もいるかもしれません。GIAの答えはモース硬度5〜6です。GIAは、石の中に混ざっている鉱物によって、5から6のあいだで変わると説明しています。ラピスラズリは、青い鉱物に金色のパイライトや白いカルサイトなどが集まってできた石(岩石)です(GIA)。どんな石なのかは「ラピスラズリとは」の記事にまとめています。
モース硬度は、どちらがどちらに傷をつけられるかを比べた順位です(GIA)。身の回りの砂やほこりの主な成分は石英という鉱物で、その硬さは7です(GIA)。ラピスラズリより硬いものが、ほこりの中にもまじっているということです。
割れにくさは中くらい
硬さ(傷のつきにくさ)とは別に、ぶつけたときの割れにくさ・欠けにくさ(靭性)もあります。GIAは、ラピスラズリの割れにくさを中くらい(英語の資料ではFair)としています。とても強いわけでも、とても弱いわけでもない丈夫さです。
指輪とペンダントで、少し考え方が違います
GIAは、ラピスラズリをジュエリーとして毎日つけられる丈夫さがある石としています。一方、IGSは、ジュエリーの種類ごとに次のように助言しています。
- 指輪・ブレスレット:ときどきつけるくらいがよい。石のまわりを枠で守るデザインがおすすめで、大事にしていても磨き直しが必要になることがある
- ペンダント・ピアス・イヤリング・ブローチ:毎日でも、あまり心配せずにつけられる
たとえば、毎日つけたいときはペンダントやピアス、指輪はときどき楽しむ。IGSの助言に沿うと、そんな使い分けの例が考えられます。
水で洗ってもいい?|ぬるま湯に石けんを溶かして、やさしく

「水に弱い」と聞いたけれど
「ラピスラズリは水に弱い」と書いたページを見て、心配になった方もいるかもしれません。GIAのお手入れの資料は、ぬるま湯に石けんを溶かした水(温かい石けん水)で洗うのが、いちばん安全な方法としています。水に長く触れていると傷むことがある宝石として、GIAは琥珀やアズライト、マラカイトを例に出していますが、そこにラピスラズリの名前はありません。
とはいえ、水に長く浸けたままにしてよい、と書いた資料も見当たりませんでした。資料に書かれているのは、石けん水でやさしく洗うところまでです。
洗い方
- 洗う:ぬるま湯に中性の石けんを溶かし、やわらかいブラシでやさしく(IGS)
- 拭く:やわらかい布で(IGS)
- はじめに:色をつける処理がされた石もあるため、GIAは、まず目立たない小さなところで試すよう勧めています
汗や化粧品は?
汗や化粧品がラピスラズリにどう影響するかは、私たちが確かめたGIAやIGSの資料には書かれていませんでした。わからないことは、大丈夫ともだめとも言わずにおきます。
薬品については、IGSが、色をつけるなどの処理がされたラピスラズリは家庭用の洗剤や薬品を使うときに外しておくよう勧めています。
やめておきたい3つのこと|洗浄機・除光液やアルコール・熱

- 超音波洗浄機・スチーム洗浄機:GIAは、ラピスラズリには決して使わないよう案内しています。IGSも同じです。ご家庭用の超音波洗浄機も、ラピスラズリには使わないでください
- 除光液やアルコール:GIAによると、ラピスラズリに使われる染料の中には、除光液(アセトン)やアルコールでこすると落ちるものがあります。マニキュアを落とすときや、アルコールで手を消毒するときは、染料が溶けて落ちることがないよう、外しておくと安心です
- 熱:GIAは、色をよく見せる処理がされたラピスラズリの表面は、熱や溶剤で傷むことがあるとしています
処理がされた石かどうかを見た目だけで判断するのは難しいので、どのラピスラズリでも、この3つは避けておくのが安心です。
色が薄くなった・白っぽく見えるときは

「前より白っぽくなった気がする」「布で拭いたら青い色がついた」。そんなときに知っておいていただきたいことがあります。
- 白い部分:もともと石に入っている、カルサイト(方解石)という白い鉱物です(GIA)
- 色をつける処理:青をきれいに見せるためや、白いカルサイトを目立たなくするために、染めたラピスラズリもあります(GIA)
- 色が落ちる条件:除光液やアルコールでこすると、落ちてしまう染料があります(GIA)
- 光:GIAは、染色された宝石について、日光で色があせることがある染料もあるとしています
お手元の石がどれに当たるのかは、見た目だけでは判断できません。もともと白い部分が目立つ石なのか、染めた石なのか、ほかの理由なのかは、石そのものを調べてはじめてわかることです。
確かめようとして除光液でこすったり、色を戻そうとして磨いたりするのは、やめておきましょう。なぜ家で試さないほうがよいのかは、「ラピスラズリの本物と偽物の見分け方」の記事でお話ししています。
しまうとき・直すとき、そして見せていただくとき

しまうとき
- ほかの宝石と分ける:GIAによると、硬い宝石はやわらかい宝石に傷をつけることがあります。ダイヤモンドやサファイアと比べると、ラピスラズリはやわらかい側の石です。宝石箱では仕切りを分けてしまいましょう
- 日の当たる窓辺に長く置かない:GIAは、染色された石について、日光で色があせることがあるとして、日の当たる窓辺に長く置かないよう案内しています。染色されているかは見た目だけでは判断しにくいので、光の当たらないところへ
直すとき
指輪のサイズ直しや枠の修理を頼むときは、石がラピスラズリであることを伝えてください。GIAは、ワックスなどをしみ込ませた宝石に、職人が使うバーナーなどの熱を当てないよう案内しています。石を外してから作業するかどうか、作業する方と相談すると安心です。
見せていただくとき
「色が薄くなってしまった」「欠けてしまった」「石が外れたまま」。そんな状態でも、そのままお持ちください。欠けてしまった石も、石が外れたジュエリーも、おもいおでは査定できます。鑑別書がなくても大丈夫ですし、査定やご相談だけでも、お気軽にどうぞ。
見せていただくときは、石そのものの様子や、枠の貴金属・デザイン・状態・鑑別書の内容まで、ジュエリー全体として見ていきます。信頼できる鑑別機関の鑑別書がある場合は、記載された石種を重要な確認根拠として扱います。宝石全般について、色をつけたなどの処理の可能性も評価の材料として見ますが、断定はしません。
何も試していない状態のほうが、石の様子をそのまま見られます。「これは毎日つけて大丈夫?」といった気になることも、査定の途中で何でも聞いてください。売るかどうかは、お話を聞いてから決めていただいて構いません。
まとめ|覚えておきたいこと
- ラピスラズリの硬さはモース硬度5〜6。石英(7)よりやわらかく、ほかの宝石とは分けてしまいます
- GIAはジュエリーとして毎日つけられる丈夫さがあるとし、IGSは指輪やブレスレットはときどき、ペンダントやピアスは毎日でも、と助言しています
- 洗うときは、ぬるま湯に石けんを溶かした水で、やさしく
- 超音波洗浄機・スチーム洗浄機、除光液やアルコール、熱は避けましょう
- 汗や化粧品の影響は、確かめた資料には書かれていませんでした
- 色が薄くなった・白っぽく見えるときも、試したり磨いたりせず、そのままご相談ください
引き出しの中のラピスラズリ、気になる状態のままで構いません。一度見せていただけませんか。



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おもいお鑑定士のnoteでは、遺品整理や資産整理、受け継いだ宝石との向き合い方などを、日々の査定で感じたこととともに紹介しています。
