- 2026/10/25
ラピスラズリとは?宝石なの?手元の石で見る青・金色・白と、採れる場所
母から譲られた指輪、旅先で買ったペンダント。深い青の中に金色の粒が光り、ところどころに白い部分がある石。「ラピスラズリって書いてあったけれど、宝石なの?それともパワーストーン?」と、気になったことはありませんか。
最初にお答えします。
- ラピスラズリは、昔から宝石として使われてきた青い石です
- 1つの鉱物ではなく、青い鉱物に、金色の粒(パイライト)や白い部分(カルサイト)などが集まってできた石です
- 多くはアフガニスタンで採れてきた石で、2026年には新潟県糸魚川市で、日本で初めて見つかりました
- 傷や薬品に気をつけたい、少しデリケートな石でもあります
- 何の石かはっきりしなくても、そのまま見せていただいて大丈夫です
この記事では、意味や効果のお話ではなく、手元の石を見ながら「ラピスラズリとはどんな石か」を確かめられるように、順にお伝えします。
目次
ラピスラズリは、昔から宝石として使われてきた青い石です

「ラピスラズリ」という名前は、ラテン語の「ラピス(石)」と、ペルシア語の「ラズリ(青)」を合わせたものとされています。そのまま訳すと「青い石」です。
この青い石は、とても長いあいだ大切にされてきました。辞典によると、その利用は紀元前3000年ごろのエジプトにまでさかのぼります。GIA(米国宝石学会)も宝石として解説していて、メソポタミア・エジプト・中国・ギリシャ・ローマで珍重されてきたと紹介しています。
日本では「瑠璃(るり)」とも呼ばれてきました。辞典には、瑠璃が仏教でいう七宝(しっぽう)の1つに数えられ、青い絵の具「群青」の原料としても使われてきたと書かれています。
「宝石なの?パワーストーンなの?」と聞かれたら、パワーストーンとして売られていることも多いけれど、石そのものは古くから宝石として使われてきた青い石、と答えられます。
1つの鉱物ではなく、いくつかの鉱物が集まった石

ラピスラズリは、1つの鉱物でできた石ではありません。青い鉱物を中心に、いくつかの鉱物の粒が集まってできた石(岩石)です。GIAも、ラピスラズリを「複数の鉱物が集まった岩石」として扱っています。
ネットで調べると「ラピスラズリは鉱物」と書かれていることもあります。辞典によると、ラピスラズリという名前は、青い鉱物そのものを呼ぶときにも使われてきたからです。指輪やペンダントになっているラピスラズリは、いくつもの鉱物が集まった石のほうだと考えてください。
いくつもの鉱物が混ざっているので、青の濃さや、金色の粒・白い部分の入り方は、一つひとつ違います。同じラピスラズリでも見た目に幅があるのは、このためです。
青い鉱物の名前は「ラズライト」?「アウイン」?
青い色をつくっている鉱物は、GIAでは「ラズライト(青金石)」と説明されています。一方で、国立科学博物館は2026年の発表で、有名なアフガニスタンのラピスラズリも、主に「アウイン(藍方石)」という鉱物でできていると説明しています。
どちらも同じ仲間の、よく似た青い鉱物で、資料によって呼び方が異なります。持ち主としては「青い鉱物の粒が集まってできた石」と覚えておけば十分です。
手元の石を見てみましょう|青・金色の粒・白い部分

お手元にラピスラズリがあれば、明るい場所で、石の表面をゆっくり見てみてください。見える部分は、それぞれ別の鉱物です。
- 深い青の部分:青い鉱物の粒が集まっているところです。GIAによると、青い鉱物の割合が多いほど、青が濃くなります
- 金色にきらっと光る粒や筋:パイライト(黄鉄鉱)という鉱物です。金のように見えますが、金ではありません
- 白い点や、白い筋:カルサイト(方解石)という白っぽい鉱物です。傷や汚れではなく、もともと石に含まれているものです
- 淡い青や、緑がかった青:ラピスラズリの色には幅があり、淡い青や、少し緑がかった青のものもあります。GIAによると、アフガナイトという鉱物が淡い青をつくることがあります
どんな見た目がよいとされるの?
GIAは、ラピスラズリでいちばん大切なのは色だとしています。
- 評価が高いのは、むらのない中くらいから濃い青で、白い部分が見えないもの
- 金色の粒は、小さく全体にきれいに散っていれば、必ずしも価値を下げない
- 金色の粒が多すぎると、くすんだ緑っぽい見た目になり、品質は低く見られる
- 白い筋が入ったものは、価値が下がる
ただし、白い部分を隠すために色をつけた(染色した)ラピスラズリもあります。白い部分が見えないからといって、それだけで色が天然のものかどうかは判断できません。
どこで採れる?多くはアフガニスタン、日本でも見つかりました

GIAによると、ラピスラズリの代表的な産地はアフガニスタンの山地です。数千年前から今まで、よい色の石を送り出してきた場所です。ほかにチリやロシア(シベリアのバイカル湖周辺)でも採れ、アンゴラ・カナダ・アメリカのコロラド州・パキスタンでも少し採れます。
国立科学博物館によると、古代に宝石の質の原石を出していたのは、アフガニスタンの東北部だけでした。奈良の正倉院の宝物に見られるラピスラズリも、アフガニスタン産と考えられています。遠い国から、はるばる日本まで運ばれてきた石なのです。
2026年、翡翠の町・糸魚川で日本初の発見
そんなラピスラズリが、2026年に日本でも見つかりました。
2026年2月27日、国立科学博物館は、新潟県糸魚川市の姫川の支流で見つかった青い石が、ラピスラズリだったと発表しました。日本でラピスラズリが採れることが確かめられたのは、これが初めてです。
翡翠の産地として知られる糸魚川で、2人の方が長年趣味で集めていた石(主に翡翠)の中に、その青い石が混ざっていたそうです。国立科学博物館が成分を詳しく調べて、ラピスラズリだとわかりました。糸魚川のものには、外国のラピスラズリでは知られていない鉱物の組み合わせが見られたといいます。
発表のあと、ニュースを見た方々によって、新たに10個以上の石が見つかっています。別の青い石だと思われて、気づかれずにいたのかもしれません。
少しデリケートな石|身につけるときと、お手入れのこと

ラピスラズリは、水晶などと比べるとやわらかめの石です。GIAによると、硬さはモース硬度で5〜6。いくつかの鉱物が混ざっているので、石によって硬さに幅があります。辞典でも、水晶などよりやわらかい点が欠点として挙げられています。
ふだん使いのジュエリーとして身につけられる石ですが、GIAは次のような扱い方をすすめています。
- お手入れは、ぬるま湯に石けんを溶かした水でやさしく洗う
- スチーム洗浄や、超音波洗浄機は使わない
- 色をつけるなどの処理をした石は、熱や薬品(溶剤)で表面が傷むことがある
硬いものとぶつかる家事や作業のときは、外しておくと安心です。
何の石かわからなくても、そのまま見せてください

「箱には何も書いていない」「ラピスラズリなのか、ほかの青い石なのかもわからない」。そんな場合も、そのままお持ちいただいて大丈夫です。
GIAによると、ラピスラズリには、色をよく見せるために染色したものや、ワックスやオイルを染み込ませたものがあります。ガラス・プラスチック・セラミックで作られた模造品もあります。GIAは、こうした処理は宝石の専門的な検査で検出できるとしています。
おもいおでは、天然の石か、人工の石か、ガラスなどの模造品かがわからない品でも、査定やご相談をお受けしています。鑑別書がなくても構いません。宝石全般について、色をつけたなどの処理の可能性も評価の材料として見ますが、見た目だけで決めつけることはしません。
見せていただいたときは、石の名前だけでなく、石そのものの様子や、枠の貴金属・デザイン・傷や欠けなどの状態まで、ジュエリー全体として見ていきます。石の見え方については、先ほどのGIAの考え方(色・白い部分・金色の粒)も参考になります。査定の途中でも、気になることは何でも聞いてください。売るかどうかは、お話を聞いてから決めていただいて構いません。
まとめ|覚えておきたいこと
- ラピスラズリは、昔から宝石として使われてきた青い石です。日本では瑠璃とも呼ばれてきました
- 1つの鉱物ではなく、青い鉱物に、金色の粒(パイライト)や白い部分(カルサイト)などが集まった石です
- 金色の粒は金ではなく、白い部分は傷ではありません。評価でいちばん大切なのは色です
- 多くはアフガニスタンで採れてきた石で、2026年には糸魚川市で日本初の発見がありました
- やわらかめの石なので、超音波洗浄機などは使わず、石けん水でやさしくお手入れを
- 何の石かわからなくても、そのままご相談いただけます
お手元のラピスラズリ、どんな石なのか一度見せていただけませんか。名前がわからなくても、鑑別書がなくても、お気軽にどうぞ。



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おもいお鑑定士のnoteでは、遺品整理や資産整理、受け継いだ宝石との向き合い方などを、日々の査定で感じたこととともに紹介しています。
