- 2025/12/17
エメラルドのカット種類一覧|名前や特徴、価値・値段への影響を徹底解説
「手元のエメラルド、四角くないけれど本物?」「この丸い形にはどんな名前がついているの?」そんな疑問をお持ちではないですか?
実はエメラルドには、定番の「エメラルドカット」以外にも、ラウンドやカボションといったカットの種類が数多く存在します。種類によって買取価格が数万円〜数十万円変わることも珍しくありません。
また、カットの種類は単なるデザインの違いではありません。「なぜその形にカットされたのか」を知ることで、その石の「希少性」や「買取相場」が見えてきます。
この記事では、宝石買取専門店《おもいお》のプロ鑑定士が、図鑑代わりに使えるカットの種類と、それぞれの価値についてわかりやすく解説していきます。
《この記事を監修する『おもいお』について》
本記事は、宝石カットの価値評価に精通する《おもいお》が監修。私たちはカットの種類だけでなく、「そのカットが原石の魅力をどれだけ引き出しているか」を重視します。
✅ GIA-GG(米国宝石学会)認定鑑定士が在籍
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【この記事でわかること】
- なぜ「エメラルドカット」が定番なのか、その2つの理由
- ラウンド、オーバルなど代表的なカットの特徴
- 「カボションカット」が選ばれる特別な理由
- カットの違いが買取価格にどう影響するのか
目次
そもそもエメラルドの「カット(形)」には意味がある

エメラルドの形状(カット)は、単にデザインの好みだけで決められているわけではありません。実は「その原石を最も高く売るため」、そして「壊れやすい石を守るため」という合理的な理由が存在します。
まずは具体的な種類の話に入る前に、プロが必ずチェックしている「カットの目的」について理解しておきましょう。この前提を知っておくと、お手持ちのエメラルドがなぜその形をしているのか、その価値の秘密が見えてきます。
エメラルドとダイヤモンドは「カットの目的」が違う
宝石の王様であるダイヤモンドと、エメラルドでは、カットに求められる最優先事項が異なります。
| ダイヤモンド | 原石を大きく削ってでも「輝き(ブリリアンス)を最大化すること |
| エメラルド | 輝きよりも「色」と「重量」を残すこと |
つまり、エメラルドは「いかに原石を削りすぎず、濃く美しい緑色を見せるか」を重視して設計されています。そのため、ダイヤモンドのように複雑なカット面を持たせるよりも、石そのものの色の美しさを引き出すカットが好まれるのです。
定番が「エメラルドカット」になる2つの理由
エメラルドといえば、四隅を切り落とした長方形の「エメラルドカット」が定番です。なぜ丸ではなく四角い形が選ばれるのでしょうか? そこにはエメラルド特有の2つの事情があります。
- 「脆さ」から石を守るため(耐久性)
- 原石を無駄にしないため(歩留まり)
エメラルドは硬度が高い反面、内部に傷が多く衝撃に弱い性質があります。鋭利な角を作るとそこから欠けてしまうリスクがあるため、あえて角を落とした八角形(四角形)にすることで、欠けや割れを防いでいるのです。
また、エメラルドの原石は六角柱の形をしています。これを無理に丸く(ラウンド型)しようとすると、削り落とす部分が多くなり、石が小さくなってしまいます。
原石の形に近い長方形にカットすることで、高価な原石の重量(=価値)を最大限に残せるのです。
定番以外のカットに隠された「特別な価値」
エメラルドのカットを見るときは、「なぜその形が選ばれたのか」という視点を持つことが大切になります。
エメラルドは色味や耐久性を考慮し、合理的にカットされる宝石です。あえて定番のエメラルドカット以外が施されている場合は、その形自体に意味があるケースが少なくありません。
たとえば、原石を多く削る必要があるラウンドカットは、サイズが小さくても成り立つほど、色や透明度に優れた高品質な原石だった可能性を示します。
一方、カボションカットは濃い色合いや内部構造を活かせるカットなので、キャッツアイ効果などの特殊な光学的特徴を引き出すために用いられることもあります。
このように、定番以外のカットを紐解いていくと、その石ならではの価値や希少性を表す重要な手がかりとなる場合があるのです。
エメラルドの代表的なカットの種類と特徴

ここからは、代表的な「エメラルドカット」以外のカットの種類を写真付きでわかりやすく解説していきます。
【エメラルド】代表的なカットの種類を一覧で比較
以下は、カットごとの特徴を比較したものです。
| カットの種類 | 特徴 | 市場流通量 |
|---|---|---|
| エメラルドカット | 角を落とした長方形 | 多い(定番の形、需要が最も安定) |
| ラウンドブリリアントカット | ダイヤモンドのような円形 | 少ない(ロスが多いため贅沢かつ希少) |
| オーバルカット(ペアシェイプ) | 楕円形や洋梨(しずく)型 | 普通(ジュエリーとしての需要) |
| カボションカット | 角がなくつるんとしているドーム型 | 普通(キャッツアイなら高額に) |
まずは、お手持ちのエメラルドがどのタイプに当てはまるか、上記の比較表で確認してみましょう。市場での流通量(レア度)を知ることで、大まかな価値の予想がつきます。
エメラルドカット

「エメラルドカット」は、エメラルドの代名詞ともいえる最も代表的な形です。 広いテーブル面(上面)と、階段状の側面(ステップカット)が特徴で、長方形の四隅を切り落とした「八角形」をしています。
キラキラとした強い輝きよりも、「石の透明度」と「色の深さ」を強調するカットです。石の中が透けて見えやすいため、誤魔化しが効かない正直なカットともいえます。
ラウンドブリリアントカット

「ラウンドブリリアンカット」は、ダイヤモンドで最も一般的な、58面体の円形カットです。 中心から外に向かって放射状に光を反射させるため、エメラルドの中でも特に強い輝きを楽しめます。小粒なメレサイズ(脇石)として使われることも多いです。
六角柱の原石から「円形」を削り出すには、多くの部分を削り落とす(捨てる)必要があり、重量のロスが非常に大きくなります。つまり、「重量が減ってでも美しさを優先した」という証であり、高品質な原石に使われる贅沢なカットです。
オーバルカット / ペアシェイプカット

曲線を描くファンシーカット(変形カット)の代表格です。 「オーバル」は楕円形、「ペアシェイプ」は洋梨(しずく)のような形をしており、主にリングやペンダントトップの主役として用いられます。
このカットは角がないため、優しくエレガントな印象を与えます。また、実際のカラット数(重さ)以上に「見た目の面積(場面)」が広く見えることから、ボリューム感のあるジュエリーに仕上がるのが魅力です。
なお、エメラルドの指輪・ネックレスの買取価格については、以下の記事もご覧ください。
▶エメラルドの指輪・ネックレスの買取価格はどう決まる?ジュエリーの査定基準をプロが解説
カボションカット

「カボションカット」は、ファセット(切り子面)を作らず、石の表面を丸く山形に整えたカットです。 古代から続く最も古いカット技法の一つでもあります。
「つるん」としたドーム型で、ゼリーのような潤んだ質感が魅力です。主に色が非常に濃い石や、インクルージョン(内包物)が多く透明度を出しにくい石に施されます。石本来の「色」を楽しむには最適なカットです。
カボションカットの中央に猫の目のような光の筋が現れる「エメラルドキャッツアイ」は、極めて希少なコレクターズアイテムとして、桁違いのプレミア価格がつくことがあります。
なお、キャッツアイの有無で査定額が大きく変わる理由はこちらで解説しています。
▶エメラルドキャッツアイの価値と買取相場|「猫の目」を持つ希少石が高く売れる理由
カットの違いは買取価格にどう影響する?プロが教える高額査定の条件

エメラルドのカット種類について調べていると、「結局どの形が一番高く売れるの?」と気になる方も多いのではないでしょうか。
実は、買取価格はカットの名前だけで決まるものではありません。プロの鑑定士は、そのカットが選ばれた背景にある「原石の品質」や、カットそのものの「仕上がりの美しさ」を総合的に見て判断します。
ここからは、実際の査定現場で重視される代表的なポイントについてみていきましょう。
カットの種類よりも大切な「全体のバランス」
まず大前提として、どんなに人気のあるカットでも、仕上がりが悪ければ高額査定は期待できません。プロが特に重視しているのは、石全体のバランス(プロポーション)です。
バランスが良いエメラルドは左右の形が整い、適度な厚みがあり、光を受けて美しく色が映えます。反対に、極端に薄い石は色が淡く見えたり割れやすくなり、厚すぎる石は重さの割に輝きが出にくくなります。
カットの種類が「個性」だとすれば、プロポーションはその個性をきちんと活かせているかどうかの重要な判断材料です。
希少なカットはプレミアがつくことも

市場流通量が少ない「ファンシーカット(変形カット)」が施されている場合、その希少性から付加価値(プレミア)がつくケースがあります。
特に「ハートシェイプ」や、ラグビーボールのような形の「マーキスカット」などは、個性的なジュエリーを求める層やコレクターからの需要が高い傾向です。品質次第では相場以上の高値になることもあるでしょう。
ただし、王道のエメラルドカットに比べて、これら変形カットは「人気の流行(トレンド)」に左右されやすい性質があります。
デザインが古くてもエメラルドの価値は変わらない
「デザインが古い指輪だから価値がないのでは」と不安に思われる方もいるでしょう。ジュエリーのデザインには流行がありますが、エメラルドという宝石そのものの価値は時代によって大きく下がることはありません。
むしろ、昔のジュエリーには、現在では手に入りにくい良質なエメラルドが使われていることもあります。
なお、古いデザインのエメラルドの買取については、以下の記事で解説しています。
▶古いエメラルドリングは売れる?立て爪・昭和デザインの買取相場と価値の見方
あなたのエメラルドはどの種類?《おもいお》が無料査定します
エメラルドにはさまざまなカット種類があり、それぞれに明確な意味と価値があります。重要なのは、カットの種類そのものよりも、その石に合った形で高品質に仕上げられているかどうかです。
エメラルドの買取価格は、カット・色・透明度・仕上がりを総合的に見て判断されます。ご自身のエメラルドの価値を正しく知るためにも、カットの違いを理解したうえで、専門の鑑定士に相談することが大切です。
✅ そのカット、実は希少かもしれません!
少しでも気になった方は、ぜひ一度買取専門店《おもいお》にご相談ください。 当店には、世界的な宝石資格である米国宝石学会認定(GIA-GG)を持つプロ鑑定士が在籍しています。
カットの種類はもちろん、プロポーションの美しさや市場トレンドを総合的に判断し、あなたの宝石の「本当の価値」を見極めます。「定番でない=安い」と判断され、適正価格がつかないケースも少なくありません。
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