- 2026/10/31
糸魚川でヒスイだと思った石が別の宝石に|「珍しい」と「高く売れる」は同じ?
新潟県糸魚川の海岸で拾い、ヒスイだと思ってペンダントにしていた石。鑑別に出したところ、鑑別書の宝石名は「マウシットシット」でした。鑑別書に記された鉱物の1つ「コスモクロア」は、世界でもごく一部の地域でしか産出が報告されていない、珍しい鉱物とされています。X(旧Twitter)に投稿されたこの鑑別結果は、Webメディアでも紹介されています。
では、珍しい種類の石だと分かれば、高く売れるのでしょうか。
ニュースをもとに、石の珍しさと買取価格の関係を、需要や品質・状態から解説します。
目次
ヒスイだと思っていた石は、鑑別書では別の名前だった

Webメディア「Hint-Pot」によると、投稿者は2025年の春先、糸魚川の海岸の波打ち際で緑色の石を拾いました。ヒスイだと思い、ペンダントに仕立てて身に着けていたそうです。
その後、中央宝石研究所に鑑別を依頼すると、鑑別書には鉱物名「天然コスモクロア/アルバイト」、宝石名「マウシットシット」と書かれていたといいます。鑑別結果を伝える投稿は、記事の掲載時点で約1.9万件の「いいね」を集めました。
見た目だけでは区別しにくい石でもあります。米国の宝石学の研究機関GIAは、マウシットシットの中には、ヒスイ(ジェダイト)との区別がはっきりしにくいものもあると説明しています。
投稿者にとって、特別な石になった

投稿者は、コスモクロアは糸魚川では「ヒスイ以上に希少とされる石」だとして、自分にとってはヒスイ以上に特別な石になったと話しています。
自分の手で拾い、ペンダントに仕立てて身に着けてきた石です。鑑別で名前が分かったことも、投稿者にとっては喜ばしい結果だったことが投稿から伝わります。Hint-Potの記事でも、「良い拾い物しましたね~」「魅力的」といった、珍しい石との出会いを喜ぶ声が紹介されています。
鑑別書の「鉱物名」と「宝石名」は何が違う?

今回の鑑別書には、2つの名前の欄がありました。中央宝石研究所の説明では、鉱物名の欄には鉱物の名前が、宝石名の欄には宝石として分類された名前が書かれます。
今回は、鉱物名の欄にコスモクロアとアルバイトの2つが並び、宝石名の欄にマウシットシットが書かれていました。GIAによると、主にコスモクロアとアルバイトからなる岩石は、ミャンマーの産地名にちなんでマウシットシット(maw-sit-sit)と呼ばれます。
つまり、コスモクロアは石をつくる鉱物の1つで、マウシットシットは石全体の宝石名です。「コスモクロア=マウシットシット」ではありません。鑑別書の欄の読み方は、ルビーとスピネルの例を扱った記事でも紹介しています。
「ヒスイ以上に希少」は、何についての話?

コスモクロアの希少さには、鑑別機関の会報も触れています。中央宝石研究所の「CGL通信」によると、コスモクロア輝石は、世界でもごく一部の地域でしか産出が報告されていない鉱物です。同誌は「希少度的にはヒスイを上回ると考えられています」と紹介しています。
日本では、1996年に岡山県大佐山のヒスイから初めて見つかり、1997年には糸魚川のヒスイからも見つかったと、同誌は伝えています。
ただし、この説明は、自然の中でどれだけ見つかるかという鉱物としての話です。宝石としての評価や、売買の価格を示したものではありません。今回の石も、コスモクロアだけでできているのではなく、アルバイトなどと一緒になったマウシットシットです。
珍しさだけで、買取価格を決められないのはなぜ?
中央宝石研究所によると、鑑別書には、その石が何の宝石かといった分析結果が記載されますが、「宝石の品質評価は表示されません」。宝石鑑別団体協議会(AGL)も、会員の鑑別機関は鑑別や鑑定(グレーディング)を行う一方、価格査定は行わないと説明しています。
鑑別書に珍しい名前が書かれていても、それだけで買取価格が分からないのは、同じ名前の石でも1点ずつ違うためです。色の濃さや混じり方、欠けや傷などの状態、大きさは、石ごとに異なります。
買取価格には、その石やジュエリーを買い求める方がどれだけいるかという需要も関わります。買取店は、買い取った品物を、それを求める次の方へ販売するためです。珍しい石でも買い手が限られる場合があり、産出の少なさだけで価格は決まりません。
ジュエリーの場合は、石だけでなく、金やプラチナなどの貴金属の素材と重さ、デザインや製品としての状態も見ます。おもいおの査定では、こうした点を実物で確かめて査定額を出します。
手元のジュエリーは、鑑別書がなくても実物で相談できる
受け継いだ指輪やペンダントなど、石の種類がよく分からないジュエリーも、そのままお持ちいただけます。鑑別書は、あれば石の種類を確かめる手がかりになりますが、なくても査定できます。
おもいおには、GIA(Gemological Institute of America)のGraduate Gemologist(G.G.)ディプロマ取得者が在籍しています。石の品質や状態、ジュエリーとしての作りまで、実物を見ながら確かめます。
まとめ
糸魚川でヒスイだと思って拾った石は、鑑別書では鉱物名「天然コスモクロア/アルバイト」、宝石名「マウシットシット」でした。投稿者は、ヒスイ以上に特別な石になったと話しています。
珍しさは評価に関わる要素の1つです。そのうえで買取価格には、買い求める方がどれだけいるかという需要と、1点ごとの品質や状態も関わります。
石の種類がよく分からないジュエリーも、鑑別書がなくても実物で確かめられます。店頭での査定は、銀座本店と心斎橋店では予約なしで受け付けており、査定額を確認してから売るかどうかを決められます。お断りいただいても費用はかかりません。




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