- 2026/10/14
8カラットのブルーダイヤ、約2億5,000万円の入札でも不落札|ネットの相場と手放すときの値段はなぜ違う?
英国ロンドンのオークションに出品された8カラットのブルーダイヤモンドに、約2億5,000万円の入札がありました。それでも、このダイヤモンドは落札されませんでした。出品者があらかじめ決めていた「これより低ければ売らない」という金額に届かなかったためと報じられています。
値段は付いたのに、売れなかった。このニュースは、宝石の「値段」が一つではないことをよく表しています。手元のジュエリーについても、購入したときの値段やネットで見かける相場、お店で提示される査定額など、いくつもの金額を目にします。この記事では、ニュースに出てくる3つの数字の違いと、手元のジュエリーで見かける金額をどう受け止めればよいかをまとめます。
目次
約2億5,000万円の入札でも、8カラットのブルーダイヤは落札されなかった

英国ロンドンのオークションハウスElmwood’s(エルムウッズ)は、2026年10月1日の宝飾品オークションに、8.03カラットのブルーダイヤモンドの指輪を出品しました。しずく形(ペアシェイプ)のブルーダイヤモンドを、ピンクと白の小さなダイヤモンドで二重に囲んだ指輪です。
Elmwood’sのカタログに記載されたGIA(Gemological Institute of America)の鑑別レポートの内容によると、色の評価はFancy Light Blue(ファンシー・ライト・ブルー)で、色は天然、クラリティ(透明度の評価)はVS2です。オークションハウスの調査では、英国のオークションに出たペアシェイプのブルーダイヤモンドとしては過去最大だといいます。
予想価格は150万〜200万ポンド(約3億1,000万〜4億2,000万円)でした。米国の宝飾業界誌National Jewelerによると、入札は120万ポンド(約2億5,000万円)まで進みましたが、出品者が決めていた最低売却価格に届かず、落札されませんでした。最低売却価格の具体的な金額や、折り合わなかった理由は公表されていません。
珍しい宝石が競売で買い手を見つけられなかった例は、今回だけではありません。2026年5月にはスイス・ジュネーブのサザビーズのオークションで、予想価格920万〜1,230万ドルとされた6.03カラットのブルーダイヤモンドに、買い手がつかなかったと報じられています。
※円換算は1ポンド=約209円(2026年10月1日)で計算した目安です。
予想価格・最低売却価格・落札価格は何が違う?
ニュースに出てくる金額は、性格の違う3つの数字です。
予想価格は「このくらいで落札されそう」という見込み
予想価格は、オークションハウスの専門家が見込む落札価格の幅です。オークション会社クリスティーズの解説では、予想価格は落札価格の目安であって、保証ではないとされています。実際の落札価格は、当日の入札しだいで予想を上回ることも、下回ることもあります。
最低売却価格は「これより低ければ売らない」という出品者の線
最低売却価格は、出品者がオークションハウスと事前に決めておく、受け入れられる最低の金額です。クリスティーズでは、この金額は競売中も公表されず、予想価格の下限を上回らない範囲で設定すると説明しています。入札がこの金額に届かなければ、落札とはならず、取引は成立しません。
落札価格は、実際に取引が成立した金額
落札価格は、入札が最低売却価格に達し、売り手と買い手の取引が成立した金額です。今回のブルーダイヤモンドには予想価格と入札額はありましたが、落札価格は生まれませんでした。
一度の競売で買い手がつかなかったからといって、このダイヤモンドに価値がないということにはなりません。約2億5,000万円という入札がありながら、出品者が決めた線には届かなかった、ということです。
手元のジュエリーで見かける金額も、それぞれ役割が違う
手元のジュエリーについても、目にする金額は一つではありません。
購入したときの値段は、新品として販売されたときの価格です。手放すときの金額とは、そもそも出どころが違います。
ネットの買取相場の表示は、一般的な条件を前提にした目安です。その持ち物の宝石の種類や品質、傷の有無、付属品があるかどうかまでは反映していません。同じ「ダイヤモンドの指輪」でも、条件が違えば金額は変わります。
査定額は、実物を確認したうえで提示される、その場で取引になりうる金額です。見かけた金額と査定額が違うことがあるのは、どちらかが間違っているからではなく、それぞれが別の役割を持つ数字だからです。
査定額は、実物の何を見て決まるのか
査定では、相場の目安だけでなく、その持ち物そのものを確認します。おもいおの査定では、主に次のような点を確認したうえで金額を提示します。
- 台の貴金属の素材と重さ
- 宝石の種類・品質・状態
- ブランド
- デザインや傷の有無、箱・保証書などの付属品
ネットの相場表示が実物を見ずに出す目安であるのに対し、査定額はこうした点を一つずつ確かめた結果です。鑑定書や鑑別書がなくても、査定は受けられます。
見かけた金額と違ったら、売らなくてもいい?
オークションのように買い手が競り合う仕組みと、買取店が金額を提示する仕組みは同じではありません。ただ、提示された金額を見て、その金額で手放すかを最後に決めるのは売り手、という点は共通しています。
おもいおでは、査定額に納得できない場合は断ることができます。査定料やキャンセル料はかかりません。見かけた相場と比べてみたい、手放すかどうか迷っている、という段階でも、査定額を確認してから判断できます。
まとめ
8カラットのブルーダイヤモンドは、約2億5,000万円の入札がありながら、出品者が決めていた最低売却価格に届かず、落札されませんでした。予想価格・最低売却価格・落札価格は、それぞれ別の数字です。
手元のジュエリーでも、購入したときの値段やネットの相場表示は目安で、手放すときの金額とは役割が違います。宝石の値段は、実物を確認して初めて具体的な金額になります。査定額を見てから、手元に残すか手放すかを決めて構いません。




関連ページ
- 小さいダイヤモンドは買取できる?値段のつき方と、相場がサイトごとに違う理由(相場表示の金額が違って見える理由)
参考・出典
- Elmwood’s「Lot 8 | An Exceptionally Rare and Highly Important 8.03 Carat Blue Diamond Ring」
- National Jeweler「8-Carat Blue Diamond Goes Unsold at UK Jewelry Auction」(2026年10月9日)
- Rapaport「Blue Diamond Gets $2.6M Price Tag at Elmwood’s Auction」(2026年9月24日)
- National Jeweler「White Diamonds Lead Sotheby’s Auction, Blue Diamond Does Not Sell」(2026年5月14日)
- Christie’s「What is a reserve?」
- Christie’s「What is an auction estimate?」